JOB TALK VOL_3

地域の建築を
支える楽しさを
感じてほしい。

柳澤 慧 × 駒井 晶

左官職人を目指したきっかけを教えてください。

柳澤私が通っていた富山県立高岡工芸高校では、建築や土木系の職人による出前講座を受ける機会がありました。もともと建築や土木の仕事に興味があったのですが、出前講座で左官の仕事を体験させてもらい、面白そうだなと思ったんです。そこで左官職人の募集を探していたところ、夏見が求人を出していることを知り、高校卒業後に入社しました。

駒井私は高校卒業後、実家の会社で防水工事の仕事をしていたのですが、違う仕事にも挑戦したくて転職しました。建築系以外の仕事を考えたこともあったのですが、単純作業よりも毎日違ったことをやりたいし、身体を動かす方が性に合っているので、やっぱり次の仕事も建築系かなと思って。そんな時に友人から「左官の仕事はどう?」と夏見を紹介してもらい、ご縁を感じて入社しました。

入社後、まずはどんなことをしましたか?

柳澤未経験から入社したので、まずは現場で使う材料の種類を教えてもらい、実際に下地の材料を混ぜる仕事から始めました。

駒井私は前職で現場経験があったので、「やってみるか?」とちょっとだけコテを持たせてもらいました。初日に連れて行ってもらった現場は、たしか土間の補修だったかな。

柳澤左官というと家の壁を塗るイメージがあったんですが、夏見は学校や商業施設、マンションなど大きな現場が多いんです。葬儀場の現場を担当した時は「ほんとにいろんな現場があるんだな」と印象に残りました。

駒井私は最初に任された老人ホームの現場が思い出深いです。「うまくできるかな?」と不安でしたが、自分でやってみると「俺って案外センスがあるかも」と思って(笑)。自分なりにできた経験から「左官って楽しい!」と思うようになりました。

左官の技術はどのように身につけていきましたか?

柳澤基本は先輩の現場に同行しながら仕事の流れを学びますが、夏見では入社後、富山県左官組合が運営している左官高等職業訓練校に2年間通います。仕事に直結する技術だけでなく、伝統的な左官の材料や工法を用いた技術も学べるんです。訓練校は県内の左官職人を目指す人たちが働きながら通うんですが、同世代の若者をはじめ異業種から転職してきた人、女性の職人見習いまでいて、良い刺激になります。

駒井私は今まさに夏見で仕事をしながら訓練校に通っています。この前訓練校で、モルタルに石を混ぜて、石だけを表面に浮き出させる「洗い出し」という仕上げを学んだのですが、実際に仕事でその技術を使うことがありました。左官職人として一人前になるには10年以上かかると言われていますが、訓練校のおかげでもっと早く成長できるのではないかと思います。

左官の仕事の楽しいところ、大変なところは何ですか?

駒井楽しいところはやっぱりきれいに塗れた時ですね。大きな現場だと塗る場所も広くて大変ですが、満足いく仕上げができると達成感があります。大変なところは朝早いこと。現場によっては朝5時半起きもよくあります。私は朝が苦手でできるだけ寝ていたいタイプ…。家を出る5分前に飛び起きることもよくあります(笑)。

柳澤仕事柄、体力がいりますし、服も汚れます。決して楽な仕事ではないですが、先輩にほめてもらった時は嬉しいですね。「上手にできたな!やったやん!」と言ってもらえると、もっと頑張ろうと思います。

駒井うちの会社は特にほめ上手な先輩が多いんです。

柳澤建築業界は上下関係が厳しいと思っていたけど、夏見は優しくて面倒見のいい人ばかりなので安心しました。わからないことはすぐに教えてもらえますし、早く先輩みたいにうまく塗れるようになりたいなと思います。

左官職人として大切なことは何ですか?

駒井見た目がきれいなのはもちろんですが、「違和感」に気づけることが重要だと思ってて。わずかな段差や凹凸などに気づいて対処できる職人は優れているなと思います。

柳澤材料の調合も違いが出るところですね。左官の仕事は気温や湿度が大きく影響するので、同じ材料でも塗りにくかったり、垂れてしまうことがあるんです。その日のコンディションに合わせて塗りやすい調合ができる人はすごいなと思いますね。

駒井限られた工期のなかで間に合うようにすることも職人として大切です。現場では左官以外にも電気工事や水道工事などのさまざまな職人が入っているので、お互いに現場で調整しあうこともあります。私も工期を意識しながら、でもせっかくやるならきれいに仕上げたいので、できるだけ妥協はしないようにしています。

柳澤「自分さえよければいい」は通用しない仕事ですね。手先の器用さ以上に、全体を見渡しながら作業できる人はきっと職人として活躍できると思います!

仕事終わりや休日の過ごし方を教えてください。

駒井私はお酒が好きなので、友人と飲みに行くことが多いですね。

柳澤実はインドア派で…。日中は現場で身体を動かしているので、帰宅後や休日は家でのんびりしたりゲームをしたりすることが多いですね。休みはしっかりあるので、メリハリをつけられるのはいいなと思っています。

駒井その分朝は早いけどね。毎朝お弁当を作ってくれる家族には頭が上がらないです。

柳澤たしかに。家族には感謝しかないので、誕生日など記念日にはいつもプレゼントを贈っています。

最後に、左官職人を目指す方へメッセージをお願いします。

柳澤私もまだまだ職人としては未熟ですが、先輩に教えてもらいながら、いずれ後輩を教えられる職人になりたいと思っています。夏見は未経験から入ってもしっかり職人として成長できる環境があるので、手に職をつけたい人にはぜひおすすめしたいです。

駒井夏見は富山県内のさまざまな施設を手がけているので、「地元の建築を支えている」というやりがいを感じられると思います。技術力と人間性が求められる仕事ですが、真剣に取り組めば、きっとどこでも通用する職人として成長できるはず。ぜひ夏見で左官職人の一歩を踏み出してください。

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